本校では、地域の基幹産業である酪農により発生する糞尿を、湿原地域に自生する水生植物によって浄化することを目指し研究を進めている。その中で、様々な植物を使い浄化能力を調べ、カサスゲとその根に付着する細菌群に浄化能力があることを突き止めた。そこで本研究では、この実験区をさらに改良し、湿原や池塘を含めたビオトープを造成する。ビオトープと本校の敷地内にある湿原の後背地としての軍馬山という自然環境を活用し、様々な体験ができる環境学習の発信基地をめざす。
有機物の浄化には、湿原植物(=オオカサスゲ)の根に住む微生物が有効だった。
窒素化合物の浄化には、土壌に住む微生物が有効だった。
ビオトープ予定地の水生生物調査を行い、流れる河川の水質状況を明らかにすることができた。また、軍馬山の双子池に生息するウチダザリガニの調査も行った。
ビオトープ予定地の植生調査では、10m×10mの方形区に分けて、55区画(5500平方メートル)の調査を行った。
ビオトープ予定地の下流部では流れが緩やかで、湿地を好むヤナギが多かったが、河川中流から上流にかけては、ササが多く、乾燥化が進んでいた。
標茶町近郊のはまなか地区では、環境保全型の農業排水路が運用されている。この視察では、水質浄化や植生回復に有効な河川の形状を学び、ビオトープ設計の基礎データを得ることができた。
実験データや視察のデータを参考に、水質浄化を意識し環境に配慮したビオトープの設計を行った。設計するためには、予定地の地形を知る必要があり、約6000平方メートルに及ぶ水準測量を実施した。そして、予定地の地形断面図・立体地形図を完成させた後、水質浄化システムを含むビオトープの設計図を作成させた。